小学校の同級生に天田俊という男がいた。
俊君は水泳がとても得意で、
スイミングスクールに通い、
たくさんの大会で優秀な成績を収めていた。
学校のプールの時間でも、
俊君の泳ぎは、みんなのお手本にされていた。
あるとき、
「なぜそんなに速くおよげるの?」
と聞いたことがあった。
俊君は
「簡単だよ、自分の泳ぎをビデオに撮って早送りすればいいんだよ」
僕はとても驚いて、「そうかーーー!!!」と思った。
とても強烈にその言葉がインストールされてしまった。
20年以上経ってもその瞬間が忘れられない。
今考えると、なんじゃそりゃ???アホか、と
思うかもしれない、俊君のギャグだったかもしれない。
でも俊君のその感覚はとても的を得ていると思う。
大きく3つの要素があると思う。
・時間を短く感じさせること
・負荷に負けない力をもつこと
・いろいろな角度から可能性を探ること
小学生ながら、この3点をまとめた感覚が、
「簡単だよ、自分の泳ぎをビデオに撮って早送りすればいいんだよ」
ということだったのだ。