なぜあのコーヒーショップが好きなのか?
だいたいどのお店もそんなに大きく変わらず。
苦い飲み物とパンを売っているだけだ。
どのお店でもいい、特にこれといった理由もない、
でもなんとなくあのお店に行ってしまう。
そのお店の店員さんを思い出すと、
いつでも笑顔で、元気がいい印象がある。
朝早くても、不機嫌そうとかつらそうな印象が全然ない。
海外の店舗だと歌っている店員さんすら見た事がある。
とても気さくでフレンドリー、クラスにいたら仲良くなっておくと何か得しそうな。
そんな雰囲気がどの店員さんにもある。
極めつけは、注文した後の「あなたの名前を教えて?」だ。
これは単なる渡し間違えを防ぐ理由だけではないだろう。
それなら番号でいいのだから。
人の名前にはいろいろな情報が含まれている。
性別やどこに住んでいるか、年代、性格なども想像出来てしまう。
「あなたの名前は?」と聞かれただけで、そんなパーソナルな情報も共有していると感じ、親近感を覚える。
ただのコーヒーが、自分だけに出された特別なもののような気分になる。
もし、店員さんがロボットになったら、
「君の名は?」と聞かれてもそんな深いコミュニケーションにならない。
「自分のコーヒー」も自動販売機と変わらず、売り上げは激減してしまうだろう。
人に名前を呼ばれる。
この世に生きている、重要な証明だ。