代々木ではたらく

これからの働き方を考える

いい店の条件、

好きなごはんやさんはどんなお店だろうか?

落ち着けるカフェ?さっくり入れるカウンター?

隠れ家みたいな居酒屋?、豪華なレストラン?

自分が好きだと思うお店は、どこかに他と違ういいところがあるはずだ。漠然と感じていることがもしかしたら自分の活動のヒントになるかもしれない。

 

東京は連日よく晴れている。でも今日はとくべつ寒かった。刺さるような寒さは今シーズンはじめてかもしれない。僕は今日も事務所で目覚めた。朝7時、まだ目覚きらない街を歩き、朝食を食べに行った。いつもは松屋の朝定食を食べているのだけど、今日は先日発見した15℃というお店に行ってみた。

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365日というパン屋さんから分岐したカフェらしい。朝ご飯セットが2種類から選べる。今日のメニューは「ごぼうの炊き込みご飯と味噌汁」か「トーストと季節のスープ」のどちらか。これに、サラダとサーモンのマリネ、目玉焼きなどがセットになっている。僕は炊き込みご飯のセットをお願いした。とてもやさしい味で、理想的な朝食といった感じだ。キャベツとニンジンの味噌汁がおいしく、徹夜明けの体にしみた。居心地はとてもよく、店員さんたちもとても丁寧な仕事をしていた。

 

利益率が低い

値段の設定が少し高い。朝食のセットで税込み1134円。毎日食べるにはちょっと気が引ける値段だ。しかしながら野菜やお米、食材はとてもいいものを使っている。舌がバカになりかけている僕でも、食べればすぐに分かるほどだから、原価も高いだろう。

その他、内装などとてもきれいで上品、お店づくりにこだわっている。立地もいい。ざっと、材料費30%人件費40%家賃設備15%としただけで、85%行ってしまう。1000円の定食のうち、850円が消える。経費はおそらくこれだけではないはずだ。

これはいわゆる「店主のこだわりの店」というやつで、原価が高く、利益率が低いお店の典型だ。こういったお店は熱心なファンに惜しまれながら消えてしまう確率が高い。とてもいい店だと思うし、僕も毎日でも行きたいと思う。いつまでもそこにあってほしい。反面、それが叶わない。

 

ファンを増やす

・・そんなことを考えながら、食後の時間をまったり過ごしていた。8時が近づいてきたころ、それまでまばらだった店内に、一気にお客さんが増えてきた。20代の若い女性数人のグループ、出勤前のサラリーマン、近所のおじいちゃん。全然繁盛しているじゃん!。僕の心配は全くの的外れだった。このお店の良さを知っている人たちがたくさんいたのだ。朝食にしては少し高いお値段でも、きちんとした食材や接客、雰囲気、トータルで一貫性ががあれば、それがよい体験となり、お客さんに記憶として残る。そしていつの間にかファンになっていく。一度ファンになったお客さんは何回でも来てくれるだろう。姉妹店のパン屋さんがその体験の一端になり、ファンになるきっかけをつくっているのかもしれないとも感じた。今の時代、おいしい噂の広まる速度は速い。

 

「業績を伸ばすために必要なのは、強さや大きさではない。時代に合わせ変化できるかどうかがカギになる」というのはよく言われてる。飲食業でもこうやって時代に乗れるんだな、と感じた朝だった。