代々木ではたらく

これからの働き方を考える

ポケモンで学ぶ成長、

webで「ドローンで残業している社員に退社を促す」という記事を見た。

www3.nhk.or.jp

最高に頭が悪い(褒め言葉)。虚構新聞なんじゃないかと何回も確認してしまった。退勤時間になると、自動で離陸して蛍の光を流すんだと。傑作!。「ドローンの飛行音はうるさいので退社の雰囲気ができる。」ハハハw。カメラで撮影して遠隔地で誰が残業しているか見ることができるらしい。最高!。誰が監視するんだろう。AIが見て人事とか待遇でも決めるのかな?凄まじい世界観だ。何かに例えてぶった切ろうと思ったのだが、それすら思いつかないほど、プリミティブなバカ加減だ。いずれこれが何かの例えに使われるだろう。

 

とまぁ、面白い時事ネタをぶち込んだところで、本題を始めたい。今日はそんな間抜けな話じゃなく、ポケモンの話をしたいと思う。今夜もよろしくお願い致します。

 

教科書のある環境

話の発端は知り合いの会社経営者の話だ。A氏としよう。A氏はまだ起業してまもない。自分で受ける仕事をまわす傍ら、人を採用したり、経理をやったり、環境を整えたり。まだまだ規模が小さいことで全てを自分でやっている。まだそういう段階だ。しかしながら、彼のまわりには同業で起業している人や、お手本になる会社が多く、自分の目指す道、やるべきことが分かりやすく提示されている。教科書が周りにたくさんあるのだ。とてもいい環境だと思う。あれをやれば結果はこうなる。これをやってはいけない。そんな情報がすぐに共有され、手に入る。その通りにやればいい。しかし僕はそこに落とし穴があると思っている。正解があることの不幸だ。

 

ポケモンの世界での成長

ポケモンというゲームは有名だと思うので、詳細は割愛する。ポケモンの世界には「ふしぎなアメ」というアイテムがある。無条件でレベルを1つ上げる効果がある道具だ。通常ポケモンは戦いのなかで経験値を得てレベルが上がる。その過程で、どのポケモンを仲間にするかを考え、回復アイテムをそろえ、作戦を立てる。戦闘中もどの技が相手に効果的か、ポケモンの相性、繰り出すタイミングなどを試行錯誤していく。そして戦いに勝ったとき初めて経験値が得られレベルが上がる。「ふしぎなアメ」はこの成長の行程を全て吹っ飛ばして、「レベル」という見た目だけの数字が増える。軽快で耳障りのよい効果音とともに。レベルが上がると新しい技を使えるようになったり、新しい場所に行けるようになる。しかし、数字だけの表面的なレベルアップではたとえ戦術は習得できても、経験による戦略は習得できない。いつまでたっても力ごり押しのパワープレイでしか戦えなくなってしまうのだ。相手に応じて対応を変えたり、力が弱くても知恵で解決するような、臨機応変な戦い方ができないプレイヤーが出来上がる。

 

ふしぎなアメの落とし穴

先のA氏もまさに「ふしぎなアメ」でレベルが上がった状態に陥る可能性がある。周りが正解にあふれているため、自分で試行錯誤して、自分だけの経験値を得る機会がない。正解だけをたどり、きちんと会社を成功させることができれば、それでいいのかもしれない。が、そんなことは十中八九ない。ある程度の基礎的な正解があるものの、それ以降は、時代や場所、タイミングによって全く結果が変わってしまうことなど茶飯事だからだ。同じことをやってもなぜかうまくいかない。まねしてもできない。正解となる方法や、ロードマップが見えている気がするだけに、この挫折は結構キツいだろう。そこで初めて、「ああ、表面だけ見ていたんだな」と気づく。中身の無いまま成長してしまったときに落ちる穴はとてつもなく深い。

 

A氏。ふしぎなアメはほどほどにな。