代々木ではたらく

これからの働き方を考える

時間をゆっくり流す方法(後篇)、

3日連続で、同じタイトルでやるとは思わなかった。どうやら僕はよほど時間をゆっくり流したいらしい。小学校6年生の時の文集に「一番大事ものは?」というアンケートがあった。それに「時間」と答えている。12歳でなにが「時間」だよ(笑)って感じなのだが。それほど時間に興味があったのだと思う。しかし、モモは読めず途中で挫折した。時間を貯金するみたいな話だったような気がする。

 

3日も同じテーマでやるのは申し訳ないけど、時間をゆっくり長す方法は今日で終わるので。どうかひとつ、おつきあいいただけたら嬉しいです。いつも読んでくださって本当にありがとうございます。今日も宜しくお願いします。

 

時は流れて、僕は社会人になった。本も映画もゲームも大好きになった。(いまだにモモは読んでないけど。)特に映画は大好きで、仕事から帰ると毎日DVDで映画を見ていた。当時新卒で入った会社は激務で、終業は24時を越えるのが普通だった。そして25時くらいに映画を見始める。終わるのが27時くらい。深夜3時だ。そんな生活を毎日繰り返していた。つまらない映画は途中で寝てしまう。気づけばメニュー画面に戻り、さらにしばらく何も操作しないとまた本編が再生される。寝たり起きたりしながらぐるぐる映画が流れ続ける。今、映画のどの辺りを見ているのか。このシーンは見たことがある。そういえばエンドロールがさっき流れていた気がする。この人は何回死ぬのか。あれ、オープニングがまた始まってる。うとうとしているうちに、何週も回っている。夢と現実と映画が混ざり合って、何がリアルな記憶なのか全然分からない。夢と現実と映画が全部並列に自分の記憶として定着していく。そういうふわっとした時間がとても好きだった。

 

映画館でもよく寝ていた。

映画の途中で寝てしまい、起きたときにまだ映画がやっていると、僕はなぜかとんでもなく幸せな気持ちになるのだ。すごく長いあいだ映画館にいるように感じる。寝ている間は2分とか3分とか、それくらいの短時間なのだけど、意識がない時間は永遠のブランクに感じている。浦島太郎の逆のような感覚。たった2、3分寝ただけでも、一晩をそこで過ごしたような、夜を越えるような感覚がある。とてもゆっくりとした、贅沢な時間が流れているように感じる。映画の内容はもう分からないのだけど、自分の感覚の時間軸と、時計の針が刻む時間軸と、映画の中の時間軸がぐちゃぐちゃに混ざりあう。そういうふわっとした時間がとても好きなのだ。