東京はすごい雪だ。4年ぶりだという。以前の大雪の日、僕は当時神奈川県に住んでいて、5DMk2という一眼レフカメラを持って渋谷駅まで行った。普段とは違う東京がとても綺麗で、寒さも忘れて映像を撮りまくっていた。いろいろな気象条件が重なった時に現れる雪。白くて、ふわふわしていて、繊細で、結晶のデザインは最高で芸術的。それがゆっくりと空から降りてくる。積もった雪は全てを白く変えていく。地球で起きる自然現象としてはとてつもなく優しくて、神秘的だと思う。こんなに寒いのに、こんな厳しい環境なのに、見た目は美しすぎやしませんかね。電車が止ろうが、車が止ろうが、そんなこともうどうでもよくないですか?。せっかくの東京都の雪、楽しみましょうよ。4年ぶりですよみなさん。
今日は雪の夜。大変だ、つらいなんて言ってないで、まったり雪がやむのを待ちましょう。あったかい日本酒でも呑んで、旨い肴を食べて、待っていればいいでしょ。たまにはいいですよ。そんなわけで今夜もよろしくお願いします。
朝、テレビを見ていたら、国分太一さんが出ていて、朝の挨拶もそこそこに「超ワクワクします」っていうようなことを言っていた。他のアナウンサーが「大変なことになりますよ」って言っても、「そう言ってますけど、雪がふって嬉しいでしょ?」ってニコニコしながら言っていた。国分さんいいなぁと思った。みんな大変大変っていっても、本当はちょっと嬉しい。そうでしょ?
子どものころ雪が降ると、とても嬉しかった。目の前の景色が一気に変わる。見慣れた風景が、全く違うものになる。それがとても不思議だったし、神秘的だったし、もう意味がわからないほどにワクワクした。テレビはずっと雪のことをやっていて、それも非日常を演出していた。親も外を心配したり、おばあちゃんに電話したり、学校の連絡網が回ってきたり。みんなが雪のことを話題にして、雪のことで頭の中がいっぱいになる。それがなんとも楽しかった。夜になっても、ぼんやり明るい。白い雪に街灯の光が反射して、その光がまた違う雪に反射して、それを繰りかえして町全体がぼんやり明るくなるのだ。そしてなぜかとても静かで、しーーーんという音がするような気がする。雪が音も吸収してくれているのだろうか。なんとも言えない緊張感が街を包む。
東京の雪は優しい。日常を一気に変えてくれる。寒さへのお詫びかのように。雑多でごちゃごちゃの街を白一色で染めて、みんなの頭を雪のことでいっぱいにしてくれる。嫌なこと、大変なこと、辛いこと、全部一瞬忘れて、頭の中を真っ白にしてくれる。こんな日が1年に1回くらいあってもいい。今夜は、みんなで雪を楽しもう。